連合王国 2019 12 14

 日本のニュースを見ると、
英国では、ジョンソン首相が率いる保守党が、
総選挙で圧勝したと報道されています。
 日本では、つい「英国」と言ってしまいますが、
それでは、内包する問題が見えてこないのです。
 英国の正式名称は、
「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」です。
 もっとわかりやすく言えば、
「イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド連合王国」でしょう。
 今回の総選挙においては、
保守党は、イングランドでは、圧勝して、
ウェールズでは、善戦した。
 スコットランドでは、スコットランド民族党が圧勝して、保守党は敗れ、
北アイルランドでは、地域政党が強く、保守党の議席がないという結果でした。
 このような選挙結果では、連合王国の分裂が見えてきます。
つまり、スコットランドの独立の可能性です。
 今回の選挙では、「EUから離脱」が大きなテーマになりましたが、
イングランドでは、「離脱」に大きな賛成が得られ、
スコットランドでは、「離脱」に反対ということになります。
 つまり、選挙結果が示唆する未来は、
連合王国は、EUから離脱して、
スコットランドは、連合王国から離脱するという方向が見えてくるかもしれません。
 また、離脱をめぐる大きな問題として、
アイルランド島の北東部にある「北アイルランド」は、
アイルランド島の大部分を領土とする「アイルランド共和国」と、
陸続きで国境が接しています。
 アイルランド共和国は、EU加盟国ですが、
「離脱」という機運はないでしょう。
 そうなると、アメリカとメキシコの国境に建設されつつある、
強固な「壁」をアイルランド島にも建設しますか。
 しかし、歴史的な問題が蘇るかもしれません。
アイルランド島は、オリバー・クロムウェルが侵攻して、
「英国初の植民地」となったと言われることがあります。
 ちなみに、連合王国もアイルランド共和国も、
日本との関係は、良好です。
 連合王国にとっても、アイルランド共和国にとっても、
「隣国関係」は難しいものがありますが、
そこへ離脱問題をめぐる「北アイルランド」が加わるのですから、
事態は複雑なものとなります。

























































































トップページへ戻る